生物保護区の水辺保全
【2026/3/5 更新】

生物保護区の水辺保全
日 時)3月5日(木) 9:00〜12:00 晴
場 所)生田緑地 城山下谷戸生物保護区
活動者)岩田臣生、田村成美

城山下谷戸の生物保護区は、2004年度に川崎市が開催した生田緑地整備基本計画ワークショップにおいて提案し、その後、行政計画として位置付けられたものです。
桝形山・北部公園事務所・城山下谷戸の合流部で囲まれた三角形の内部には園路が無かったので、園路に面していない樹林地として、野鳥の保護、昆虫の保護になると 考えました。
当時、緑政当局では、この谷戸の中に園路を整備する計画がありましたが、その整備計画は撤回してくれました。
この区域の中央部の谷底には大きな湿地があって、新種の昆虫が見つかったこともあります。
また、スジグロボタルが密度高く棲息している湿地でしたので、故)大場信義博士を案内したこともありました。

昨年は、ハンノキ林の東の水辺が涸れたため、その水辺の再生に追われていました。
この水辺の再生に目途が立ってきたのと、城山下谷戸合流部への水流が涸れていたので、生物保護区の水辺を調べておかなければと思って、 調査兼水辺保全を行うことにしました。

当該湿地の畔には、倒木コナラが垂れ下がっていました。

ハンノキ林の水辺が、最近の降雨によって復活してくれたように、生物保護区の湿地も、湿潤な状態に見えました。
大型の野鳥のために、この湿地の入口部に掘っていた水溜まりの水底一面には、アズマヒキガエルの卵塊が沈んでいました。
この水溜まりに産卵するようになったのは数年前のことなのですが、これほど多くの卵塊を見ることになるとは想像できませんでした。
ただ、卵塊は水底に敷き詰められたようになって、薄く泥を掻けられたようにも見えました。
この状態は、若しかすると、アズマヒキガエルの産卵後も、大型の野鳥が水浴びをしていたのかも知れません。
アズマヒキガエル卵塊

湿地は枯草と枯葉に覆われていましたが、その下は、長靴が潜る湿土で、外周部には、保全してきた浅い流れが残っていました。




この湿地の一番奥、生田緑地整備事務所から芝生広場に降りる尾根からの斜面の裾の部分が、この湿地の主要な水源になっています。
その辺りの様子は、今までの記憶とは少し異なるものでした。
その原因は、この支谷戸の北側の支尾根から何本もの倒木があり、斜面のアズマネザサやアオキなどを薙ぎ倒していたためだと分かりました。
そこで、先ずは、一番奥の突き当りの部分のアズマネザサやアオキを刈って、斜面裾部を露わにしました。

それから、その隣接地の薙ぎ倒されたアズマネザサなどを刈りました。
倒木は、そのまま朽ちさせることにして、その上に他の材を積みました。


斜面の裾部のアズマネザサやアオキも刈りました。

湿地の中央が見えるようになりました。

いよいよ、水辺の泥上げ開始です。
飯室層が露頭した斜面のように見えましたが、歩いていると、ズブズブ潜る所があったので、先ずは、そこの泥を掘り上げて、水が溜まるようにしました。
大きな倒木の近くなので、大きな水溜まりにしたいと思いました。


湿地の入口に掘った水溜まりが、大型の野鳥に利用されたのは、周囲が開けていたことが良かったのではないかと思います。
斜面裾部の水溜まりは、アオキなどのヤブに囲まれてしまいますが、その方が良いと思う小型の野鳥もいると思います。
多様な種のために、多様な環境を考えていいと思います。


湿地の畔に立つカヤの大木は、大型の野鳥にとっては大切な要素だろうと思います。

湿地に面した斜面には、高さ4mクラスの太いアズマネザサが繁茂していましたが、それを刈ると言い出したので、それはお任せしました。
1回でできる範囲は小さいと思いますが、南向きの斜面なので、面白いかも知れません。
ただ、まだ倒木は続きそうなので、注意が必要です。


最奥部の手入れができたので、そこから、湿地南端外周につくっていた水路の泥上げにかかりました。



最奥部に掘った水溜まり穴に、少しですが、水が溜まってきましたが、溢れて流れ出すような勢いはありません。
今回、泥上げは半分ほどしかできませんでしたが、水量は少ないながら、湿地の勾配は小さいので、次回も水溜まり穴を掘っておけば、水辺保全は可能だと思いました。

今回始めたアズマネザサ刈りは、1回で完了するようなことではありません。
状態が分かったということで、この日の活動は終わりました。

かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for nature Research and Conservation

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