ハンノキ林の水辺保全 日 時)9月9日(火) 8:40〜12:30 晴 場 所)生田緑地 湿地地区、ハンノキ林地区 活動者)岩田臣生 2004年に、田圃を再生する活動を行うために新設した水田ビオトープ班は、かつての多摩丘陵に普通に棲息していた生物が生田緑地には生き残っていることが分かり、 その棲息環境を保全することで、今後も生き続けてもらいたいと考えて、生きもののために、水辺や、雑木林を保全しながら、 同時に、来園者が気持ち良いと感じられる景観であることを目指して活動しています。 今年は、22年目ですが、これほどの降雨不足による広範囲の水涸れを体験したのは初めてで、生田緑地の遺伝子を継承しているゲンジボタルの生存が心配されます。 更に、各団員の健康、体力に大きく依存する活動であるため、安定した活動継続ができない場面が生じることもあります。 また、生田緑地の水辺は脆弱なため、その自然を理解でき、考えることができる団員であることが求められます。 ここまで、水涸れが進むと、その日の活動として、何をしなければならないかの選択は困難です。 この日は、開花時期を迎えるツリフネソウを保護するためのカナムグラ刈りも必要ですが、 4〜8月は足を踏み入れていなかったハンノキ林の水辺保全を行うことにしました。 ![]() 谷戸に降りて、状態を観察することから、活動を始めました。 (01)ハンノキ林上の池 水は、底の方に黄色い淀みがあって、その上に、比較的には澄んでいる水が載っているような、不思議な状態でした。 水位は上昇して、デッキ下の堰を越えそうに見えました。 この池の水位を上げるために何をすれば良いのかについて考えていたので、一先ず、安心してしまいました。 ![]() ![]() ![]() (03)ハンノキ林西の池 水がオーバーフローしている場所は変わっていないはずですが、池の水深は深くなったように感じてしまいました。 オーバーフローする水の量は、少し増えたようにも感じました。 ![]() ![]() ![]() ハンノキ林西の池からの水流 ハンノキ林西の池から出た水は、(04)まで流れていました。 そこから、(06)までの水流はどうなったか見ようとしたら、母子でしょうか、5〜6羽のコジュケイが一斉に飛び立って、斜面の樹林に逃げました。 驚かせてしまったようです。 水面は木道下まで続いていて、湿地地区の水路に繋がっていました。 この水路は改修途中でしたが、その未改修部分に水漏れ穴が開いていて、そこに水が消えていましたので、これを塞ぎました。 ![]() ハンノキ林東地区の斜面下の水流 ここまでの観察を通して、ハンノキ林の水流は復活したのだと思ってしまいました。 ハンノキ林中央のロータリーのある木道に戻って、(04)の東側の斜面下を流れているはずの水流を観察したら、水が消えていました。 木道脇から、上流に向かって、水の消えている水流を辿りましたが、一向に、水が現れません。 9/6(土)には、僅かながら、点々と水面があったのですが、それが消えていました。 ここまで来て、やっと、ハンノキ林の西側と東側が別の水域になっていて、状態が全く異なっていることに気がつきました。 西側は、西の池が良好な状態になっていたために、水辺が保全されていたけれども、東側は、ほぼ完全に水が消えていたのです。 この日の活動始めにハンノキ林上の池の水がオーバーフローしそうな状態になっていたことを思い出しました。 ハンノキ林上の池の水を少し放流してみようと思いました。 ハンノキ林の東西の水流の間の樹林のヤブコギをして、ハンノキ林上の池に移動しました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ヤマホトトギスが開花していました。 ![]() ハンノキ林上のデッキに出て、休憩しました。 10:37 暑さ指数 WBGT 27.7℃、周囲温度 31.2℃、湿度 67.6% ハンノキ林上のデッキ下につくってあった落枝ダムを撤去しました。 ![]() ハンノキ林上の池から溢れた水を追って、ミヤマシラスゲ、アズマネザサなどを刈って、流れの悪い場所の底土を掘っていきました。 すると、ツルニンジンが咲き始めていて、沢山の蕾が並んでいましたので、そこからは、乱暴なヤブ刈りは躊躇してしまいました。 ![]() クサギ、メギ、アズマネザサ、モミジイチゴなどのヤブを刈って、萌芽更新地区北の谷との合流部まで行きたかったのですが、途中で、水は止まってしまいました。 落枝ダムを撤去しただけで得られる水では足りないのだと思い、一旦、デッキ上に出て、休憩しました。 2007年に、ハンノキ林保全の活動を始めてから、谷底の水域は一つだと決めてかかっていました。 谷底に、水域を分ける構造があったことを、初めて、認識しました。 ハンノキ林上の池は東側の水域の上流端にあり、西の池は西側の流域の上流端にあるということを、改めて、認識しました。 今、問題なのは、東側の水域であり、更には、萌芽更新地区北斜面下の水辺です。 改めて、もう一度、ハンノキ林地区の水辺保全のあり方を考え直さなければならないと思いました。 11:39 暑さ指数 WBGT 28.3℃(熱中症厳重警戒)、周囲温度 30.2℃、湿度 80.2% ![]() アオカラムシが開花期を迎えていました。 ![]() |