谷戸の水辺の状態観察など 日 時)9月2日(火) 9:00〜11:30 晴 場 所)生田緑地 谷戸 活動者)岩田臣生 ![]() 今夏は降雨が少なく、生田緑地の谷戸の水辺は、各所で水涸れが始まり、殆どの水辺が涸れてしまいました。 今日は、これからの水辺保全の活動計画を検討するために、谷戸の水辺の状態を観察する活動を行いました。 (01)ハンノキ林上の池 先月末、8/28(木)に泥上げの活動を行い、水深を深くしたつもりでしたが、アメリカザリガニ駆除の網籠は半分泥に埋まっていて、 アメリカザリガニは入っていませんでした。 この池に入る水は、現在は、タラッ、タラッと垂れているだけの水なので、池の水が増えることはなく、減るばかりだと思われます。 かつては、ヤブヤンマが訪れていた池なのですが、この日は、オオシオカラトンボが観られました。 水は、デッキの基礎部分を越えることができずに溜まった状態になっています。 ![]() (02)木道沿いの水溜まり ヤマコウバシがあって、その周囲が湿地の状態になっていたので、今春、水溜まりをつくってみましたが、その水は涸れていました。 明確な水源は無いと思われます。 (03)ハンノキ林西の池 昔、北部公園事務所の職員がつくったというトンボ池が消えかけていたので、その堤体を補強して、生きもののための池として管理している池です。 オニヤンマ、ヤマサナエ、ホトケドジョウ、カワニナなどが利用しています。 堤体に開いた穴に水が抜けて水位が下がっていたので、8/21(木)に、泥上げを行い、多数のホトケドジョウを確認し、水深を深くして、水温を低く保とうと思い、堤体部の穴を塞ぎました。 このため、一時的に、池からオーバーフローする水が止まっていましたが、堤体を越えて、流量は少ないながら、水は流れ出していました。 この辺りは、ゲンジボタル成虫の出現ポイントでもあります。 水量は非常に少ないのですが、涸れてはいないので、この周辺では、水辺の生きものが生き残っていてくれるかも知れないと思いました。 ![]() ![]() (04)ハンノキ林中央の木道付近 ハンノキ林を流れる2本の水流は、木道近くでは涸れて、水面が見えませんでした。 水流の保全活動では、木道部分で、少し水を堰き止めることを考えていたのですが、樹木の根が絡み合っていて、諦めていました。 これを、改めて、検討する必要があると思いました。 ![]() ![]() (05)萌芽更新地区北端を源頭部とする支谷戸 ここの斜面は、ホタルの蛹化場所だと思っていましたし、昨年も、今年も、この支谷戸で、ホタルが群舞していました。 ホタルの棲息地としては、この辺りが、一番のポイントではないかと考えています。 今回は、ミヤマシラスゲのヤブを掻き分けて、支谷戸の中に入ってみました。 すると、大半の流域には湿った土が見えているだけでしたが、早春の活動時に掘った水溜まりの辺りには、非常に薄くですが、水が残っていました。 また、ホソミイトトンボが数匹、観察できました。 ![]() ![]() ![]() (06)ハンノキ林北側の木道沿い この木道沿いは、やはり、ハンノキ林内の水流がぶつかる所ですが、いずれの水流も涸れていました。 この木道沿いに、しっかりした堤体をつくって、林内から出てくる水を一旦止めて、湿地地区に導入することを考えたいと思いました。 ![]() ![]() (07)竹林下谷戸 狩野川台風により崩れた土砂が堆積しているようですが、ゲンジボタルが棲息できる水流をつくるつもりで活動していました。 この谷戸は、積極的な公園的利用を考える必要は無いと思いますので、管理し易い小規模な溜め池をつくることを検討したいと思いました。 (08)谷戸左岸水流 谷戸左岸水流については、階段状の水流に変えること、更に、上の田圃地区に入った所に、管理し易い溜め池を検討したいと思いました。 (09)谷戸右岸水流 右岸水流についても、渇水期に水溜まりが残る、生きものに優しい階段状の水流にしたいと思いました。 上の田圃地区より下流域は、下の田圃を除いて、全域、水が涸れていました。 下の田圃は、不思議なのですが、少ないながら水がありました。 この1ヶ月、次第に涸れていく水辺を見てきましたので、改めて、谷戸の水辺の再生・保全について検討しようと思っています。 |